肉まん研究所

JOURNAL / 研究日誌

店舗運営ラボ

小さな店が通販を始めて、最初にぶつかったこと

ネットストアを開けば、あとは注文を待つだけ。そう思っていた時期がありました。今振り返ると、ずいぶん素朴な考えでした。 実際に小さな店が通販を始め…

ネットストアを開けば、あとは注文を待つだけ。そう思っていた時期がありました。今振り返ると、ずいぶん素朴な考えでした。

実際に小さな店が通販を始めてみると、そんなにきれいには進みません。商品を作ることと、商品を届けることは、似ているようでまったく別の仕事でした。

私たちも、通販を始めたばかりの頃はいろいろな壁にぶつかりました。今回は、失敗談というより、通販を店の仕事として育てていく中で見えてきたことを、少し率直に書いてみます。

EC WORKFLOW

通販は、作ったあとが長い。

01製造品質をそろえて作る
02冷凍おいしさを止める
03梱包箱と送料を設計する
04発送限られた人手で送る
05温め方食卓で完成させる

通販では、届いて温めて食べるところまでが一つの商品です。

作れる数と、送れる数は違う

店頭販売では、目の前のお客さんに商品を渡せば完了です。もちろん仕込みや接客の大変さはありますが、商品がどう渡ったかを自分の目で確認できます。

通販ではそうはいきません。作ったあとに、冷ます、包む、箱に入れる、伝票を出す、発送する、届いた後の温め方まで考える必要があります。

「今日はこれだけ作れる」と「今日はこれだけ発送できる」は同じではありません。むしろ小さな店にとっては、発送作業の方がボトルネックになることもあります。しかも、発送数を左右するのは人手だけではありません。

箱と送料で、利益は簡単に変わる

通販を始めると、商品の原価だけを見ていては足りないとすぐに気づきます。

箱、緩衝材、保冷資材、ラベル、決済手数料、送料。ひとつひとつは小さく見えても、積み重なるとかなり大きい。価格を決めるときにここを甘く見ると、売れれば売れるほど苦しくなることがあります。

お客さんにとって買いやすい価格にしたい。でも、店が続かなければ届け続けることはできません。このバランスは、通販をやるうえで避けて通れない課題です。さらに、箱を出たあとも商品づくりは終わりません。

温め方まで含めて商品になる

肉まんは、届いた瞬間に完成する商品ではありません。お客さんの家で温め直して、初めて食べる状態になります。

つまり、温め方の説明まで含めて商品です。電子レンジなのか、蒸し器なのか。何分温めるのか。皮が硬くならないようにするにはどうするのか。ここが伝わらないと、店で食べるおいしさと家で食べるおいしさに差が出てしまいます。

通販では、作り手が最後の一手を直接見届けられません。だからこそ、説明や同梱物、商品ページの言葉が大切になります。この見えない工程に、店の考え方がそのまま表れます。

ネットで売るほど、店の考え方が見える

通販は、単に販路を増やすだけの仕組みではありません。どの商品を選び、どう見せ、どの価格で、どんな説明をつけるのか。そこに店の考え方がそのまま出ます。

肉まん研究所の場合、ただ安く大量に届けることよりも、「家でもちゃんとおいしく食べられること」「店の世界観が伝わること」「また食べたいと思ってもらえること」を大切にしたいと考えています。

そのためには、商品ページ、写真、温め方、発送ペース、問い合わせ対応まで、少しずつ整えていく必要があります。

今日の運営メモ

通販は、始めることより続けることの方が難しいです。けれど、遠くのお客さんに肉まんを届けられるのは、やはり大きな魅力です。

失敗は、今でもあります。それでも、少しずつ良くしていく。私たちの通販も、商品開発と同じようにまだ研究の途中です。