
ネットストアを開けば、あとは注文を待つだけ。そう思っていた時期がありました。
実際に小さな店が通販を始めてみると、そんなにきれいには進みません。商品を作ることと、商品を届けることは、似ているようでまったく別の仕事でした。
肉まん研究所でも、通販を始めたばかりの頃はいろいろな壁にぶつかりました。今回は、失敗談というより、通販を店の仕事として育てていく中で見えてきたことを書いてみます。
作れる数と、送れる数は違う
店頭販売では、目の前のお客さんに商品を渡せば完了です。もちろん仕込みや接客の大変さはありますが、商品がどう渡ったかを自分の目で確認できます。
通販ではそうはいきません。作ったあとに、冷ます、包む、箱に入れる、伝票を出す、発送する、届いた後の温め方まで考える必要があります。
「今日はこれだけ作れる」と「今日はこれだけ発送できる」は同じではありません。むしろ小さな店にとっては、発送作業の方がボトルネックになることもあります。
箱と送料で、利益は簡単に変わる
通販を始めると、商品の原価だけを見ていては足りないとすぐに気づきます。
箱、緩衝材、保冷資材、ラベル、決済手数料、送料。ひとつひとつは小さく見えても、積み重なるとかなり大きい。価格を決めるときにここを甘く見ると、売れれば売れるほど苦しくなることがあります。
お客さんにとって買いやすい価格にしたい。でも、店が続かなければ届け続けることはできません。このバランスは、通販をやるうえで避けて通れない課題です。
温め方まで含めて商品になる
肉まんは、届いた瞬間に完成する商品ではありません。お客さんの家で温め直して、初めて食べる状態になります。
つまり、温め方の説明まで含めて商品です。電子レンジなのか、蒸し器なのか。何分温めるのか。皮が硬くならないようにするにはどうするのか。ここが伝わらないと、店で食べるおいしさと家で食べるおいしさに差が出てしまいます。
通販では、作り手が最後の一手を直接見届けられません。だからこそ、説明や同梱物、商品ページの言葉が大切になります。
ネットで売るほど、店の考え方が見える
通販は、単に販路を増やすだけの仕組みではありません。どの商品を選び、どう見せ、どの価格で、どんな説明をつけるのか。そこに店の考え方がそのまま出ます。
肉まん研究所の場合、ただ安く大量に届けることよりも、「家でもちゃんとおいしく食べられること」「店の世界観が伝わること」「また食べたいと思ってもらえること」を大切にしたいと考えています。
そのためには、商品ページ、写真、温め方、発送ペース、問い合わせ対応まで、少しずつ整えていく必要があります。
今日の運営メモ
通販は、始めることより続けることの方が難しいです。けれど、遠くのお客さんに肉まんを届けられるのは、やはり大きな魅力です。
失敗しながらでも、少しずつ良くしていく。肉まん研究所の通販も、商品開発と同じように研究の途中です。